GA4で広告流入を確認すると、First user source、Session source、接頭辞のないSourceなど、似た名前の列が並びます。同じ期間を選んでも数が違うのは、それぞれが利用者の初回獲得、各訪問、キーイベントへの貢献という異なる問いに答えるためです。数値の差をタグの不具合と決める前に、何を評価したいのかを決めます。

広告の担当者が「新しい人を増やしたか」「訪問を増やしたか」「重要行動へ貢献したか」を混ぜずに読むため、三つの範囲を順に確認します。

初回ユーザーの流入元を読む場面

First userという接頭辞の付くディメンションは、利用者を最初に獲得した流入元を示します。利用者が後日メールや広告から再訪しても、最初の獲得元としての値はその都度書き換わりません。新規利用者をどの経路が連れてきたかを見るときに適しています。

たとえば自然検索で初めて訪れた人が後日広告から戻った場合、初回ユーザーの表でその人を広告経由の新規獲得と読み替えません。広告が再訪を生んだ可能性を確認するには、次のセッション単位の表を使います。初回獲得の指標と再訪の指標を同一の棒グラフに積み上げると、重複した説明になりやすくなります。

セッションの流入元を読む場面

Session接頭辞は、その訪問が始まったときの流入元を表します。同じ利用者が異なる日に広告とメールから訪問したなら、それぞれのセッションには異なる流入元が付き得ます。広告による訪問やサイト内での行動を評価したいときはこちらを確認します。

表を作る際は、セッション数、エンゲージメント、イベント数など、訪問に対応する指標を横に置きます。初回ユーザー数とセッション数の差をそのまま「計測漏れ」と呼びません。対象にする日付、タイムゾーン、フィルタ、流入元ディメンションを記録し、同じ条件で前後を比較します。

新規と再訪の区別を確認したい場合は、広告レポートの基本的な読み方の指標定義も併せて点検します。クリック、訪問、利用者は異なる単位であり、数量が一致する前提を置きません。

キーイベントの帰属を読む場面

接頭辞のないイベント単位の流入元は、重要行動へどの接点に信用を配分するかという問いに使います。Googleの説明では、非キーイベントのsourceやmediumは(not set)になることがあります。空欄があるだけで広告の訪問が消えたと判断せず、まず見ているイベントがキーイベントかを確認します。

ユーザーとセッション単位は有料・自然検索チャネルのラストクリックに基づき、イベント単位は選択した帰属モデルに従うと公式資料は説明します。帰属モデルを変更した表とセッション流入の表は、同じ名前のチャネルでも値が揃わない場合があります。イベント単位の表で広告貢献を見るなら、対象キーイベントと選択中のモデルを併記します。

ここでは「広告が最後の訪問だったか」と「広告が成果経路にどれだけ貢献したか」が別の問いです。GA4の推定キーイベントの確認手順も参照し、帰属の見方に加えて値の更新期間を確かめます。

比較表を作る前の判断基準

最初に問いを一つ選びます。新規獲得ならFirst user、各訪問ならSession、キーイベントの貢献ならイベント単位の流入元を選びます。表の見出しへスコープ、対象指標、帰属モデル、期間、抽出日時を書き添え、別スコープの数字を横一列で単純に差し引きしません。

イベント定義や帰属モデルが不明、あるいは異なる範囲の表だけしかない場合はチャネルの優劣判定を保留します。必要な表を同条件で再取得してから、広告費と事業側の受付記録を照合します。数が合わない理由を探す順番を守れば、計測の問題と指標の意味の違いを切り分けられます。

実務では、同じキャンペーンを評価するときでも、初回獲得を増やす施策と再訪から成果へつなぐ施策で主指標を変えます。前者なら初回ユーザー、後者ならセッションやキーイベントを中心に置きます。会議資料に複数の表を載せる場合は、各表の問いを一行で書き、合計値を無理に一致させません。列名だけを短縮して「流入元」と表示するより、どの範囲の流入元かを見出しに残した方が誤読を防げます。

施策の評価を後から再現できるよう、スクリーンショットだけでなくディメンションの正式名称も保存します。First user、Session、イベント単位のどれかが分かれば、後で別の担当者が同じレポートを開けます。チャネル名が似ていても、対象の単位が変われば結果の意味が変わります。比較対象を同一スコープへ揃えてから傾向を読み、異なるスコープ間では用途の違いとして説明します。

広告以外からの訪問が多い事業では、初回ユーザーの自然検索比率とセッションの広告比率が大きく違っても不自然ではありません。数値がずれた理由を考えるときは、利用者の再訪経路と対象期間を先に確認します。