AIに「この商品の広告文を作ってください」とだけ入力すると、読みやすい文章が返ってくることはあります。しかし、その文章が商品の確認済み情報だけを使っているか、想定する顧客に合っているか、リンク先と同じ約束をしているかは別の問題です。

AI広告文のプロンプトで重要なのは、特別な言い回しを探すことではありません。AIが使ってよい材料、作る文章の役割、守る条件、確認しやすい出力形式を先に決めることです。この記事では、広告文の初稿を作り、公開前に確認できる状態へ整える方法を紹介します。

広告文を頼む前に確認済みの材料へ絞る

最初に、AIへ渡す情報を整理します。最低限必要なのは、広告の目的、対象となる人、その人が置かれている状況、商品やサービスの確認済み情報、広告から案内するページです。ここが曖昧なままでは、プロンプトを長くしても判断の軸は定まりません。

商品情報には、公式ページや社内で公開可能と確認した資料に書かれている内容だけを使います。根拠のない効果、確認できない利用者の感想、将来の結果を保証する表現は材料に加えません。価格や提供条件に例外がある場合は、その条件も省略せず記載します。

対象顧客は、年齢や肩書だけで決めるのではなく、広告を見る時点の状況まで書きます。たとえば「広告運用に関心がある担当者」だけではなく、「代理店へ任せ続けるか、社内運用へ切り替えるかを比較している担当者」のように、今考えていることを示します。これにより、AIは一般的な紹介文ではなく、今回の判断場面に沿った初稿を作りやすくなります。

入力には顧客名、担当者名、メールアドレス、広告アカウントIDなどを含めません。個別情報がなければ作れない広告文は、その情報を匿名化してから扱うか、AIを使わず人が作成します。

プロンプトは六つの区画で組み立てる

広告文のプロンプトは、役割、目的、前提情報、制約、出力形式、参考例の六つに分けます。長い文章で一度に説明するより、見出しを付けて区切ると、どこに何を書いたかを人も確認できます。

OpenAIのPrompt engineeringガイドでも、指示をIdentity、Instructions、Examples、Contextなどの区画へ分ける方法や、見出しによって情報の境界を示す方法が紹介されています。ただし、この並びだけで広告文の正確さが保証されるわけではありません。入力する事実と公開前の確認が必要です。

役割には「優秀な広告運用者」のような評価ではなく、今回任せる作業を書きます。「提供された情報だけを使い、広告文の初稿を作る担当者」とすれば、AIへ任せる範囲が明確になります。

目的には、広告を見た人に何を理解してほしいか、次にどこで詳しい情報を確認してほしいかを書きます。成果を予測させるのではなく、文章が果たす役割を指定してください。

前提情報には、商品、対象顧客、悩み、確認済みの特徴、媒体、リンク先を入れます。制約には、使ってはいけない表現、文字数、推測を禁止する条件を記載します。出力形式では、広告文だけでなく、各案の切り口と使用した根拠も一緒に出させると、確認箇所を追いやすくなります。

参考例を載せる場合は、他社広告をそのまま使いません。自社で公開済みの表現や、今回のルールに合わせて作った架空例を使い、どの点を参考にしてほしいかを明記します。

広告文プロンプトのひな型を使う

次のひな型では、角括弧の部分を案件ごとに置き換えます。空欄を残したまま生成せず、確認できない項目は先に担当者へ確認してください。

# 役割
あなたは、提供された事実だけを使って広告文の初稿を作る担当者です。

# 目的
[対象顧客]が[今回伝えたい結論]を理解し、
[リンク先で取ってほしい行動]へ進める広告文案を作ってください。

# 前提情報
- 商品・サービス名:[公開可能な名称]
- 対象顧客:[広告を見る人と現在の状況]
- 顧客が確認したいこと:[悩みや判断材料]
- 確認済みの特徴:[公式資料にある事実]
- 価格・条件:[公開可能な情報。なければ「記載しない」]
- 掲載媒体:[媒体名]
- リンク先の内容:[ページで説明している結論]

# 制約
- 入力にない実績、数値、体験談、保証を追加しない
- 確認できない情報は推測せず「要確認」と記載する
- 読者を必要以上に急がせる表現を使わない
- 本文は[文字数]以内、見出しは[文字数]以内にする
- 各案で伝える主な切り口を一つに絞る

# 出力形式
切り口が異なる[案数]案を、次の順で出力してください。
1. 切り口
2. 広告本文
3. 見出し
4. 使用した確認済み情報
5. 公開前に確認が必要な箇所

# 参考例
[必要な場合だけ、自社で使用可能な入力例と出力例を記載]

このひな型で大切なのは、空欄を埋めること自体ではありません。「確認済みの特徴」と「AIが作る表現」を分けることです。AIが魅力的な言葉を追加しても、その根拠が入力情報にない場合は公開候補から外します。

文字数は媒体や配置によって確認条件が異なるため、実際に掲載する場所の最新仕様を確認して入力します。AIへ文字数確認も依頼できますが、最終的には利用する管理画面や文字数計測で照合してください。

複数案は一つの比較軸だけを変える

複数の広告文を作る場合は、対象顧客、商品情報、リンク先、行動の促しを固定し、主な切り口だけを変えます。すべての条件が異なる案を並べると、どの違いを確かめたいのか分からなくなります。

たとえば、一つ目は現在の悩みを整理する切り口、二つ目は選ぶ基準を示す切り口、三つ目は導入までの手順を伝える切り口にします。プロンプトには「案ごとに切り口の名前を付け、同じ切り口を言い換えただけの案は作らない」と加えます。

AIに「最も成果が出そうな案を選んでください」と依頼しても、実際の広告結果を事前に確定できるわけではありません。生成時には各案の狙いを整理するところまでにし、採用判断はリンク先との整合や公開条件を確認して行います。

文章と画像を組み合わせる場合も、両方を同時に大きく変える前に、何を比較するかを決めます。クリエイティブ全体の確認方法は、AIで広告バナーを作るときの品質チェック5項目でも解説しています。

生成後に五つの公開条件を照合する

AIから広告文が返ってきたら、読みやすさより先に公開条件を確認します。見る項目は、事実、対象顧客、リンク先、表現、掲載形式の五つです。

第一に、商品名、価格、提供内容、数値が入力資料と一致しているかを見ます。入力にない情報が追加されていたら、自然な文章であっても削除します。

第二に、想定した対象顧客の状況へ答えているかを確認します。幅広い人へ呼びかける文章に変わり、今回の判断場面が消えていないかを見てください。

第三に、広告で伝えた内容をリンク先でも確認できるかを照合します。広告だけで強い約束をし、遷移後のページに説明がない状態は避けます。

第四に、保証、過度な断定、実在する体験談に見える表現、必要以上に不安をあおる表現がないかを確認します。媒体の審査基準や業種ごとの規制は変わる可能性があるため、AIの回答だけを根拠にせず、公開時点のルールを別途確認します。

第五に、文字数、改行、見出し、行動の促しが掲載場所に合っているかを見ます。文字数内でも、重要な条件を削って意味が変わっていれば採用しません。

AIが担当するのは初稿の作成です。事実の照合と公開判断を人が担う考え方は、広告内製化でAIに任せる仕事と人が判断する仕事も参考になります。

プロンプトも変更履歴と固定課題で見直す

同じプロンプトを使っても、毎回まったく同じ文章が返るとは限りません。そのため、一度よい案が出たことだけを理由に、プロンプトが完成したと判断しないようにします。

見直すときは、確認済みの商品情報と対象顧客を固定した課題を用意します。プロンプトを変更する前後で、事実にない内容が追加されていないか、指定した文字数と形式を守っているか、各案の切り口が分かれているかを比較します。ここで確認するのは広告成果ではなく、指示への適合です。

記録には、プロンプトの版、使用した資料の日付、変更した指示、出力で見つかった問題、採用または不採用の理由を残します。AIが何度も同じ推測を加える場合は、「入力にない内容を補わない」という制約だけでなく、避けたい出力例も追加します。

反対に、役割や制約が重複して読みにくくなった場合は、同じ意味の指示を整理します。文章量を増やすことを改善とせず、担当者が読んでも判断条件を説明できる状態を目指します。

AI広告文は初稿と承認を切り分ける

AI広告文の作り方で先に整えたいのは、生成の速さではなく確認可能なプロンプトです。役割、目的、前提情報、制約、出力形式、参考例を分ければ、どの情報から文章が作られたかを追いやすくなります。

生成後は、事実、対象顧客、リンク先、表現、掲載形式を照合します。AIに初稿を任せても、公開の承認と広告結果の判断は人が行います。広告文の制作から確認までを社内で運用できる形に整えたい場合は、Liberateの広告運用支援をご覧ください。