撮影を終えた広告用の動画をAIへ渡し、「見やすく編集して」と頼んでも、期待した状態で一度に完成するとは限りません。言いよどみを消したいのか、無音を詰めたいのか、字幕を直したいのかが一つの指示に混ざると、初稿のどこを確認すればよいかも分かりにくくなります。

Liberateの動画編集ワークフローでは、撮影済み素材から最初の編集結果を作り、残った部分を追加の指示や編集ツールで直す流れを扱っています。初回で全部を終える前提ではありません。本稿も、すでにある動画の編集依頼と修正の受け渡しに絞ります。人物の生成、広告の企画、製品ごとの操作方法や広告成果の保証は扱いません。

元動画と、最初に依頼する作業を分けて用意する

最初に、編集前の動画を保持し、作業用の素材と出力先を分けます。初稿を確認してからカット前の言い方へ戻りたい場面があるため、元の内容を参照できるようにしておきます。共有する際は、編集に必要な範囲と利用権限を確認し、不要な顧客情報を渡さないようにします。

次に、初回の依頼を作業別に書きます。例えば、言いよどみの除去、無音部分のカット、字幕、色合い、字幕の動きです。すべての作業を必ず頼む必要はありません。今回の素材で何が困っているかを確認して、必要なものだけを指定してください。

「自然に」「いい感じに」という言葉だけでは、カットの強さや字幕の扱いについて確認基準が揃いません。どの種類の箇所を直したいか、話の意味や言い切りを変えないか、判断できない箇所をどう残してほしいかまで依頼へ入れます。特定製品がこれらを自動で完了できるという意味ではなく、依頼内容を整理するための区分です。

初回の依頼は、作業と残す条件を一緒に伝える

初稿を頼む際には、編集の対象と、変更しない内容を組み合わせます。フィラーを削る場合も、発言内容の訂正とは区別してください。言いよどみを減らす依頼が、結論や説明の順番を作り直す依頼へ広がらないようにします。

無音のカットでは、詰めたい間と、話の区切りとして確認したい間を分けます。字幕では、話された内容に沿うことと、読みにくい部分を整えることを分けます。色合いや字幕の動きも、今回必要な修正として選び、素材全体を別の見せ方へ変える指示とは区別します。

依頼メモには次のような欄を用意できます。

依頼の区分 記載すること
入力 今回編集する素材と、参照する元動画
初回作業 カット、字幕、色合いなど依頼する作業
維持する内容 発言の意味、残す説明、変更しない箇所
判断待ち 自動で決めず、初稿で確認したい箇所
受け取り方 初稿の版名、確認者、残った修正の返し先

このメモの目的は、指示文を長くすることではありません。初回で頼んだことと、後から追加することを見分けるためです。広告として何を伝える動画にするかが未決定なら、編集依頼へ混ぜず、UGC動画広告の企画で決めることで扱う企画側の問いとして整理してください。

初稿は、カットのつながりと字幕を別々に確認する

初稿を受け取ったら、まずどの版を見ているかを確認します。複数の出力がある場合、違う版の時刻を使って修正を依頼すると、別の箇所が直される原因になります。コメントする動画を一つに固定してから見始めます。

カットを見るときは、削られた箇所の前後を続けて再生し、言葉の途中で切れていないか、説明を受け取るのに必要な区切りが残っているかを確認します。短くなったことだけを完成の基準にしません。元動画のどの部分が残り、何が消えたかを比べられる状態にしておきます。

字幕は別の確認として、音声と内容が合うか、誤認識がないか、表示する位置とタイミングが読み取りを妨げないかを見ます。カットで発言の位置が変わった場合は、字幕だけが以前の位置に残っていないかも確認してください。色合いや動きの好みを調整する前に、発言の内容が伝わるかを見ます。

追加修正は、場所・症状・希望を一件ずつ渡す

初稿で残った問題は、「まだ不自然です」とまとめず、どの版のどの位置に、何が残っているかを一件ずつ書きます。編集後の時刻を使う場合は、そのことも明記してください。元動画の時刻と編集後の時刻が同じとは限りません。

修正メモでは、対象位置、見つけた症状、希望する変更、維持したい内容を分けます。例えば、字幕の誤認識なら該当する発言と正しい表記を確認して渡します。カットのつながりなら、切り口だけでなくその前後の発言も確認対象にします。実在しない発言を補って自然に見せる依頼にはしません。

初回に指定していなかった色合いや字幕の動きを加えたい場合は、不具合修正ではなく追加要望として扱います。二つを分けると、元の依頼が満たされたかと、新たな編集をするかを別に判断できます。完成済みの箇所までまとめて作り直す必要があるかも、ここで確認します。

AIへ任せる操作の境界を明記したい場合は、広告業務の禁止操作と実行範囲を決める方法も参照してください。編集が終わったことと、広告として外部へ公開・入稿する許可は分けて扱います。

修正版では、直した箇所と周辺への影響を確認する

修正版を受け取ったら、修正メモの各行に対して、直った、残っている、追加確認が必要のどれかを記録します。修正したカットの前後、対応する字幕、音声のつながりまで確認し、変更した一点だけで完了にしないようにします。

発言の意味が変わった、元動画と照合できない、字幕の正しい表記を確認できない場合は、その箇所の完成判定を保留します。見た目が整っていても、内容の正しさを確認できない状態で公開へ進めません。自動の追加指示では直せない箇所は、編集ツールでの修正など別の手段へ渡す前提を持ちます。

最終的に残すのは、元動画、確認した完成版、対応済みの修正メモです。次の動画で同じ修正が続くなら、初回の依頼に何が足りなかったかを見直します。編集が容易になったことと、広告の成果が上がったことは別なので、成果改善の実績として扱わないでください。

まずは次に編集する素材について、初回作業と判断待ちを分けた依頼メモを作ってみてください。修正の往復が整理できない場合は、個人情報を除いた作業の流れをまとめてAIを使う広告業務の相談へ進むと、依頼と確認のどこを分けるかを検討しやすくなります。