広告代理店を解約したいと思うきっかけは、成果の悪化、報告が分かりにくい、費用に納得できない、担当者との連携が難しいなどさまざまです。
ただし、広告の数字が一時的に悪いことだけを理由に急いで解約すると、計測、配信、改善の履歴まで途切れることがあります。解約や乗り換えは、感情ではなく「自社が何を引き継ぎ、次にどう検証するか」を確認してから進める方が安全です。
この記事では、Liberateが引き継ぎを検討する際に整理している実務上の確認手順を紹介します。個別の契約条件や媒体設定は異なるため、実行前に契約書と管理画面の状態を必ず確認してください。
解約を検討してよいサインと、急がない方がよいサイン
| 状況 | まず確認すること | 次の判断 |
|---|---|---|
| 成果が悪化した | 期間、予算、季節性、計測、前回施策の結果 | 原因を説明できない状態が続くかを見る |
| 報告が分かりにくい | 何を変更し、なぜ変更し、結果がどうだったか | 報告の型をそろえられるか相談する |
| 費用に不満がある | 支援範囲、広告費、作業頻度、社内に残る知識 | 同条件で総コストを比較する |
| 担当変更・連絡不足 | 管理者権限、連絡体制、引き継ぎ資料 | 契約継続前に運用体制を確認する |
集計期間や成果の定義をそろえないまま短期の数字だけで結論を出すと、季節性、配信量、計測差、前回施策の影響を切り分けにくくなります。まずは、実際の問い合わせや売上、広告費、管理画面上の成果、実施した施策を同じ期間で並べます。広告レポートで確認する順番は、広告レポートの見方がわからないときの確認順で解説しています。
ただし、誤配信、権限喪失、重大な計測異常など、即時対応が必要な問題は別です。通常の成果比較と、緊急の停止・保全判断を分けてください。
実録:前任と後任が重なる移行期に先に決めたこと
ある引き継ぎ案件では、前任と後任の運用期間が一部重なり、複数の運用者が同時に関わる予定でした。最初に決めたのは解約日だけではありません。管理環境、運用者ごとの広告アカウント、閲覧権限、問題が起きた場合の責任範囲を分け、関係者へ伝える順番を整理しました。
この例のポイントは、新しい担当者へ丸ごと任せ直すのではなく、誰が何を見られ、どの範囲を運用するのかを文書でそろえたことです。具体的な構成は媒体と契約条件で変わるため、同じ形をそのまま適用せず、既存環境を確認してから決めます。
解約前に必ず確認する5つの場所
1. 契約条件と終了の連絡期限
最初に契約書や発注内容を確認します。最低契約期間、更新日、解約の連絡期限、成果物やアカウントの扱いを確認せずに、停止日だけを決めるのは避けましょう。
2. 管理画面と権限
自社担当者が広告の管理環境へアクセスできるかを、実際にログインして確認します。代理店へ任せていた場合も、誰がどの権限を持つのかを一覧にします。詳しくは、広告アカウントを自社で管理するための確認手順もあわせて確認してください。
3. 計測と成果の定義
問い合わせ、予約、購入など、何を成果として計測しているかを確認します。タグや計測設定が分からないまま切り替えると、乗り換え後に数字を比較できなくなることがあります。
4. 素材・レポート・変更履歴
広告文、画像や動画、LP、過去のレポート、変更履歴の所在を整理します。重要なのは、成果が良かった広告をそのまま使うことではなく、なぜその変更を行い、どのような結果だったかを次の判断に使えることです。
5. 支払いと停止日の整合
広告費の支払い方法、請求の締め、キャンペーンを止める日を確認します。停止作業の責任者が曖昧だと、意図しない配信継続や、必要な期間の配信停止につながります。
引き継ぎは「新しい会社に丸投げしない」
新しい代理店へ乗り換える場合も、前任者・後任者・自社の責任範囲を先に分けます。先ほどの実例と同じく、管理環境、広告アカウント、権限を役割ごとに確認します。
ただし、これはすべての事業に同じ形を当てはめるという意味ではありません。媒体のアカウント構造や制限状況によって取るべき手順は変わります。既存の設定を確認せずに削除・作り直しを行わず、次の3点を文書で合意してください。
- どの期間を誰が運用するか
- 何を成果として比較するか
- どの管理画面・素材・レポートを自社へ共有するか
解約の前に、改善依頼という選択肢もある
不満の原因が「何をしているか分からない」ことであれば、解約前に報告の型をそろえることで改善できる場合があります。たとえば、毎週の報告に次を入れてもらうよう依頼します。
- 実成果と広告管理画面の数値
- 広告費と予算消化の状況
- 変更した内容と、その判断理由
- 前回施策の結果
- 次回までに確認すること
この情報を見ても説明がない、必要な確認ができない、契約内容と実際の作業が合わないという状態が続くなら、乗り換えや内製化を検討する材料になります。
解約の目的を「広告の状況を自社で説明できること」に置く
広告代理店の解約はゴールではありません。次の体制で、広告費を使う理由、変える理由、成果を確認する方法を自社が説明できる状態にすることがゴールです。
現在の運用内容を整理し、継続・乗り換え・内製化のどれが合うかを確認したい方は、無料相談をご利用ください。アカウント情報を外部へ公開せず、確認項目から一緒に整理します。